ふとしたきっかけから知り合いになったM氏と再び会う事になったのは3月頃だったろうか。
喫茶店に入るなりM氏は目をパチパチさせてこう言うのである。
「品川さんPremiereの記事書きませんか?」
僕の仕事は八割がたAfterEffectsを使用して制作している。
M氏はそれを知っていて言っているのである。
「ええ?アフターですよね?」
「いや、違います」
「え〜と…」
「なんでも聞いてください」
妙に力強い声だ。
「えーと…」
「はい」
「…ぷれ?」
「…みあ」
「プレミア?」
「プレミア」
「プレミアですか?」
「Premiereデス」
こうして突然、エセ外国人と化したM氏は、
片言の日本語で鼻息荒く、いかにPremiereがすばらしいかをまくしたてた。
「イイデスカ品川サン!プレミア使ってる方イル。でも困ってることアルネ。それなんだと思ウ?」
「ハア…なんでしょうか?」
「編集は出来るけど、カッコいいタイトルロゴとかアフターでなかなか作れないネ」
「はあ…」
「その人、アフター覚えるもイイケド、プレミアでできたらその人助かるアルネ」
「それはそうですが…」
「あと、写真のスライドショーも作るのムツカシイアルネ!」
「えっと…それは編集用のソフトだから仕方ないんじゃ?」
「そうじゃない!ソフトのせいじゃないアル!」
「ない?アル?…」
「デキル!デキルネ!品川サンならデキル!」
「え!?…できますか?」
「…デキル」
「…デキ…る?」
「アナタはデキル」
「ボクは…デキる」
「そう!デキル!」
ということで、この記事を書くことになリました。
どうか生暖かい目で読んであげてください。
(いずれアフターエフェクトも併用した記事になると思いますが、それも読んでもらえたら幸いです)
はじめに
Premiereを使ってブライダルビデオを編集したことはないだろうか?
結婚式の内容をなんとか編集してまとめたのはいいけれど
どうにもタイトルが上手く作れない…。
なにかステキな感じのタイトルを作れないだろうか…。
今回はそんなときに役に立つタイトルの作り方を説明させて頂きます。
果たしてステキなものかどうかはさておいて…
タイトルの作り方として少しお役にたてれば幸いです。
なお、説明はなるべく丁寧に書いてはいますが
基本的なPremiereの使い方はもう分かっている前提でどんどん書いていくのである。
初心者の方は申し訳ないなのである。
(ちなみにPremiereのバージョンはCS5で作っております)
※完成ムービーはこちら
※今回の作例はizmakerで販売しています。
(Premiere Pro CS5以降 ※写真は付属していませんので、お好みの写真や映像に差し替えてお使い下さい)
STEP1 写真の枠をつくろう
それでは第一回目の講座をスタートしたいと思います。
まず今回は
編集モード : AVCHD 1080i 正方形ピクセル
タイムベース : 29.97fps
のシーケンスを作成しました。
そこにタイトルバックにしたい写真を一枚のせた。
どーですか?幸せそうな写真じゃないですか!ほほう!
(こちらはロイヤリティフリーの写真を利用しております)
みなさんはご自身でタイトルバックにしたい写真もしくは動画をお使い下さい。
尺は10秒間で作ろうと思います。
始まってから3秒写真を見せたところで文字を出したかったので
3秒から透明度を下げて70%にした。
まずはフレームを作るため、新規カラーマットで白色を作り、写真レイヤーの上に重ねる。
次に枠線にしたいので、新規タイトルでマスクを作る。
見やすいように水色にしてみたけれど、色は何でもいい。
Video3に重ねたら
枠マスクレイヤーを右クリックしてネスト化。まさかのネスト化!
なんか他にいい方法あったら教えて下さい。
僕にはとりあえずこの方法しか思いつかなかったのでどんどんいきますと…。
白レイヤーにエフェクトのチャンネル>マット設定を追加し
レイヤーからマットを取り込む をネスト化した枠マスクに設定するため
Video3を選択。そんでもって反転マットにチェックを入れ、ネスト化した枠マスクは表示したくないので、タイムライン上の目マークを消してあげると…
おお!スッキリ。枠が出来ましたね。
STEP2 文字部分をつくろう(メインタイトル)
続いては文字部分だ。
メインタイトルのHappyWeddingを作っていく。
フォントはGaramond。フォントサイズは130位に設定。
別タイトルで今度はその座布団を作っていく。
名前は白座布団とし、
長方形ツールを利用し、こんなプロパティで描いた。
現時点でのレイヤー構造はこう。
このままだと、文字と座布団が重なって
下の写真が見えないので
再び、エフェクトのマット設定を白座布団に使用し、
レイヤーからマットを取り込む をVideo5に設定。そんでもって反転マットにチェックを入れ、同じくHappyWeddingレイヤーの目マークを消すと。写真が見えます。
HappyWeddingレイヤーと白座布団をまとめたいのでネスト化。
そうすっとなぜだかHappyWeddingの文字が見えてしまうので
ネスト化したシーケンスの中に入って
タイムライン上の目マークをまた消してあげる、と。
…なんで目マークがついちゃうのかは謎ですな。
ここでズバッと解説できればカッコいいのであるが、あいにく僕にとって謎は謎のままだったので
そのまま気にせずにズンズン進めてまいります。
STEP3 文字が現れるように設定しよう
それでは、HappyWeddingの文字と座布団がスーッと現れるように設定していきますね。
まずはネスト化したHappyWeddingのレイヤーにエフェクトのビデオエフェクト>トランスフォーム>クロップを適用します。
そんでエフェクトコントロールウィンドウでクロップの「右」の%を設定します。
2秒間かけてスーッと出てくるようにしたいので
3秒のときに88%でキーフレームを一つ打ち、5秒のときに13%にキーフレームを打ちました。
さらにキーフレームを選択して、右クリックしてイーズインに変化させた。
これでスーッと現れるアクションが出来上がりなのである。
STEP4 囲み枠をつくろう
続いては、名前と日付、会場名のテロップである。
とりあえず、新規タイトルでフレームを作っていく。
角丸長方形(可変)ツールを使い、形を描いた。
線はストローク(内側)を使用している。
設定値はこのようにした。
HappyWeddingの座布団に合うように
同じ大きさで位置になるように設定した。
さらに白色の座布団を追加する。
先ほど作成した、フレームのタイトルを開き、
「現在のタイトルを元に新規タイトルを作成」ボタンを押し、同じものを複製する。
そうしないとずれてしまうのだ。
複製したものを
今度はストロークのチェックを外し、
塗りにチェックを入れる。
塗りの色は真っ白にして
透明度は30%にした。
さらにビデオエフェクト>トランジション>ブラインド
を適用し、このように設定した。
すると斜め線(もっとスマートな言い方ないのか!?)の出来上がりである!
(ちなみにレイヤーの順序はこうしてあります)
STEP5 文字部分をつくろう(名前、日付、会場名)
そんでもって
名前と日付、会場名を新規タイトルで作成するのでありますね。
フォントはGaramond
名前のフォントサイズは120、日付と会場名は70にしました。
あれ?もう出来た!?出来たんじゃね!?
まだアニメーションをつけていないのだが
ここら辺で満足な方はやめてもいいんだYO!
STEP6 文字が現れるアニメーションをつけよう
…何かよく分からないテンションになりましたが
気を取り直して進めてまいります。
まずは、名前などのこの3レイヤーをちゅうちょなくネスト!
ネストしたらそのレイヤーを複製します。
こんな感じですな。
アニメーションをつけていくので
まずは①名前部分と②日付、会場名部分で2つに分けていきます。
見やすくするとこういうことです。
Video6のほうを①名前部分、Video5のほうを②日付、会場部分としていきます。
上のレイヤーのほう(Video6)に
ビデオエフェクト>トランスフォーム>クロップを適用します。
クロップの「下」を57%にすると上記のように切れます。
また、下のレイヤーにも同じくクロップを適用し、「上」を56%にしました。
これで2つがバラバラになったところで
動きをつけていきます。
ただ、このままでHappyWeddingの文字の辺りから
決まりの位置まで動かしても、重なりの部分が出てきてしまいます。
こんなことですな。
これでは美しくないですね。
なので、HappyWeddingの文字に近いときに
クロップでさらに切っていくアニメーションもつけていきます。
そのキーフレームを打ったものがこちら!
(名前のほうのレイヤー)
5秒から7秒にかけての2秒間で変化するように指定してあります。
後のほうのキーフレームは動きを滑らかにするため
選択し右クリックして、イーズインにしてあります。
日付と会場名のレイヤーはこちらのように設定しました。
と、いうことで完成であります!
お疲れさまでした。
ちなみに完成ムービーは
好みで調整して頂く部分になりますが
もう少し写真の色味を変えたかったのと、テロップの視認性を高くするため
写真の上に黄色のカラーマットを透明度40%で重ね、
かつ、写真の透明度が下がっていく際に同時にブラーをかけています。
(ブラーかけるとレンダリング重いよ!注意です)
少しはお役に立てたでしょうか?
それでは次回までサヨナラッ!
※完成ムービーはこちら
※今回の作例はizmakerで販売しています。
(Premiere Pro CS5以降 ※写真は付属していませんので、お好みの写真や映像に差し替えてお使い下さい)
映像演出・モーショングラフィックス制作【U】
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RF動画と音のファイルマーケット【izmaker】
http://izmaker.com/