xDSL回線とは、いわゆる銅で出来た既存の電話回線を利用したインターネット回線サービスのことで、最も主流なのはADSLだと思います。
電話回線をそのまま利用してインターネットが出来るので一世を風靡しました。
しかし現在は光回線の普及率が伸びておりますので、光回線を利用している方も多いと思います。
光回線の最大の利点は100Mbpsという通信速度の速さです、ADSL回線は最大でも12Mbpsなので速度の差は明らかです。
しかしこの度、ベル研究所はxDSL回線で10Gbpsという驚異的な速度を出す実験に成功しました!
ベル研究所が実験したのは、「XG-FAST」という技術で、70メートルで上り、下りとも1Gpsを実現。
ボンディングと呼ばれる回線を2本束ねる技術を使うことで、30メートルで上り、下りとも10Gbpsの高速通信の実現に成功したそうです。
xDSL回線は長距離になると回線速度が損失するというのが最大のデメリットです。XG-FASTも単線だと理論値を叩き出せるのは70メートルまでということになりますが、これから距離が伸びていくのだと思います。
Technology comparison |
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Technology |
Frequency |
Maximum aggregate speed |
Maximum Distance |
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VDSL2* |
17 MHz |
150 Mbps |
400 meters |
G.fast phase 1* |
106 MHz |
700 Mbps |
100 meters |
G.fast phase 2* |
212 MHz |
1.25 Gbps |
70 meters |
Bell Labs XG-FAST** |
350 MHz |
2 Gbps (1 Gbps symmetrical) |
70 meters |
Bell Labs XG-FAST with bonding*** |
500 MHz |
10 Gbps (two pairs) |
30 meters |
ではどこでこの技術を利用するか、という話になりますが
技術的な問題、または金銭的な問題や景観の問題で光回線を導入することが出来ない場所や建物で、電話回線が既に導入されていれば利用できます。
これにより世界中でまだ光回線の導入が進んでいない国でも高速のインターネット回線を利用できることになります。
例えば世界遺産に登録されたため新たな回線を導入することが出来ない建物でも、電話回線が通っていれば高速通信が出来ることになりますので、世界遺産の中でWi-Fiが飛んでいるなんていう幻想的なことも可能なわけです。
ちなみに10Gbpsというのは、昨今導入が進んでいるUSB3.0と同じ速度です。
こうして考えるといかに高速なのかがよく分かりますね。
この技術が世界中に浸透する日が楽しみです。